クレオパトラは古代エジプトの最後の女王であり、ローマ帝国の二人の将軍、ユリウス・カエサルとマルクス・アントニウスとの恋愛で知られています。しかし、彼女は美貌だけでなく、政治的な才能や魅力も持ち合わせていました。彼女はエジプトの伝統や宗教に敬意を払いながら、ギリシャ系の王朝の一員としてアレクサンドリアで暮らしました。彼女はまた、宝石や金属などの豪華な装飾品を身につけることで、自分の権威や魅力をアピールしました。

 

クレオパトラのブレスレット　

　クレオパトラは蛇の形をしたブレスレットを好んで身につけていました。これは古代エジプトの女神イシスや王の守護神ウラエウスと関連づけられていたシンボルでした。蛇は不死や豊穣の象徴でもありました。クレオパトラは自分の死にも蛇を関与させたと言われています。彼女はローマのオクタヴィアヌスに敗れた後、自ら毒蛇に噛ませて自殺したという伝説があります。クレオパトラのブレスレットは、彼女の東洋的な生活の華やかさや洗練さを象徴するものとして、後のローマの時代にも流行しました。

 

　

クレオパトラのネックレス

　クレオパトラはエジプトの王朝の中で唯一エジプト語を話せたとされる人物でした。彼女は、自分の先祖がないがしろにしてきたエジプトの古代の伝統に再び接触しようとしました。その一環として、彼女はエジプトの神々の加護や保護を得るために、宝石や貴金属で飾られたアミュレット（魔除け・お守り）やネックレスを身につけました。

　彼女が所有していたとされる宝石には、真珠、瑪瑙（めのう）、カーネリアン、アメジスト、水晶、骨、真珠などがあります。これらの宝石はそれぞれに意味や効果がありました。例えば、アメジストは平和や保護をもたらすと信じられていました。クレオパトラは自分の権力を増すために、これらの宝石の選択にも気を配ったのかもしれません。

 

 

クレオパトラの真珠

 

　クレオパトラは真珠を特に愛していました。彼女は真珠の耳飾りを持っていたと言われています。彼女はまた、真珠を使ってローマの将軍たちを魅了することもしました。彼女がユリウス・カエサルと初めて会ったとき、彼女は自身を絨毯にくるんで贈り物として彼に差し出したという話があります。その絨毯の中には、真珠の耳飾りも含まれていたという説もあります。

　彼女はマルクス・アントニウスとの賭けにも真珠を使いました。彼女は自分が世界で最も豪華な宴会を開くことができると彼に言いました。そして、彼女は自分の真珠の耳飾りの一つをワインに溶かして飲み干し、それを宴会の一部として数えました。この真珠は当時のローマの国家予算の半分に相当すると言われています。クレオパトラは真珠を自分の富や魅力の証として使いました。

 

 

　クレオパトラは古代エジプトの歴史において最も有名な女性の一人です。彼女は美しさだけでなく、知性や魅力も持ち合わせていました。彼女は宝石や金属などの装飾品を身につけることで、自分の権威や魅力を表現し、政治的な目的にも利用しました。彼女はエジプトの伝統や宗教に敬意を払いながら、ローマ帝国の影響力に対抗しようとしました。彼女の生涯は激動の時代における愛と権力の物語として語り継がれています。